この連載では、2択形式で「あなたならどっち(を選ぶ)?」と問いかけます。その答えから導き出されるのは、健康を維持するために必要な情報です。選択を間違えたときは、思い込みをアップデートするチャンス! 何気なく続けてきた今までの習慣を見直して、健康習慣を始めましょう。
第7回身体活動・1
体を動かすとリフレッシュできるだけでなく、生活習慣病予防にもなります。動き始めれば心身が変わり、もっと健康に!
Q健康によい身体活動はどっち?
ランニング、水泳、ゴルフなどの運動
階段を使う、子や孫と遊ぶ、家事などの生活活動

上記で、あなたが正解だと思う答えを選択してください。

- 答え
A ランニング、水泳、ゴルフなどの運動
B 階段を使う、子や孫と遊ぶ、家事などの生活活動 -
体を動かしてエネルギーを消費するすべての動作が「身体活動」です。そのうち、体力の維持や向上、健康などを目的としたスポーツやトレーニングを「運動」、日常生活の家事や通勤などを「生活活動」といいます。
~もっと体を動かそう!~
現代人は、体を動かす機会が減っています。動かずにいると、飲食した分のエネルギーが脂肪となって蓄積して肥満を招くだけでなく、体力や筋力が低下して病気やけがのリスクが高まってしまいます。
★身体活動による健康効果
身体活動は、次のようにたくさんの健康効果をもたらす。このほか、心臓病や脳卒中、がん、認知症やうつ病などの予防にも役立つことがわかっている。
- 心肺機能が高まる
- 骨が丈夫になる
- 血圧、中性脂肪、コレステロール、血糖の値が改善する
- 気持ちが明るくなる
- 内臓脂肪を減らす
- 体力がつき疲れにくくなる

Q身体活動を増やす方法は?
今より10分多く体を動かす
月に2度、ジムでトレーニングをする

上記で、あなたが正解だと思う答えを選択してください。

- 答え
A 今より10分多く体を動かす -
月に2度はジムで体を動かしても、それ以外の時間が座りっぱなしになっていませんか。日常生活の中でこまめに動く習慣をもつほうが健康にいいことがわかっています。忙しくて運動できない人や運動が苦手な人は、今より10分多く体を動かす+10(プラス・テン)から始めましょう。
Q電車やバス、どうやって待つ?
ベンチに座って待つ
立って待つ

上記で、あなたが正解だと思う答えを選択してください。

- 答え
B 立って待つ - 生活の中で座っている時間が長い人は寿命が短くなるという報告があります(下記グラフを参照)。健康のためには、座りっぱなしの時間をできるだけ減らし、「立つ」「動く」を増やすことが大切です。

Q理想的な身体活動の組み合わせは?
有酸素運動・筋トレ・ストレッチング
無酸素運動・脳トレ・バランス運動

上記で、あなたが正解だと思う答えを選択してください。

- 答え
A 有酸素運動・筋トレ・ストレッチング - 健康づくりのためにぜひおすすめしたいのはウォーキングなどの有酸素運動・筋トレ(筋力トレーニング)などの無酸素運動・ストレッチングの3種類です。それぞれに目的や効果が異なるので、3種類をバランスよく実践するのが理想的です。
-
- 有酸素運動
- 体力や持久力をつける
- 心肺機能を高める
- 体脂肪を燃やす
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- 筋トレ(無酸素運動)
- 代謝を上げる
- 筋肉量や筋力の維持・向上
- 骨を強くする
-
- ストレッチング
- 柔軟性を高める
- 血行をよくする
- 体の緊張をとる
健診結果の読み方生かし方
生活習慣病の特徴は、自覚症状がないまま静かに進行していくことです。症状としてあらわれるときには、取り返しがつかないところまで悪化していることもあります。健診結果から、将来のあなたの姿を予測することができます。健診結果を活かし、生活習慣病を予防しましょう!
「高血圧」に関する検査項目と基準範
[血圧測定]収縮期血圧:128mmHg以下 拡張期血圧:84mmHg以下
心臓から送り出された血圧が血管壁に与える圧力(血圧)を測ります。血圧の高い状態が続くと、血管の壁に強い圧力がかかって血管の内側が傷つきます。そこに脂質などがたまって動脈内が狭くなるなどして動脈硬化が進みます。さらに動脈硬化が進むと血管の弾力性が失われ、血流も悪くなってさらなる血圧上昇を招くという悪循環に陥ります。
高血圧を防ぐおすすめライフスタイル
- 減塩を心がけましょう
- だしや酸味、香味野菜などを上手に活用すれば、塩分控えめでもしっかりした味つけができます。
- たばこを吸う人はきっぱり禁煙しましょう
- たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させ、血圧を上げる作用があります。思い切って禁煙しましょう。
- 有酸素運動がおすすめ
- ウォーキングをはじめとする有酸素運動を続けると、血流が増え血管が広がり、血圧を下げる効果があるとされています。

参考資料『健診結果の読み方・生かし方』監修:奈良信雄 順天堂大学 客員教授 東京法規出版刊