- 第1回
- いま、日本人の2人に1人ががんにかかる時代
令和元年の日本人の死亡者数は約138万人で、このうち、がんによる死亡者数は約38万人。3人に1人が、がんで亡くなっている計算になります。また、およそ2人に1人が一生のうちにがんにかかるともいわれており、いまや日本は世界一のがん大国となっています。
ここ30年ほどの、がん、心臓病、脳卒中の3大生活習慣病の死亡率を見ても、心臓病と脳卒中は横ばいで推移しているのに対し、がんはとどまるところを知らずに増え続けています。
体にがんが起こるしくみ
がんは怖い、しかしがんとはどういう病気なのか、じつはよく知らないという方も少なくないのではないでしょうか?
がんは、体をつくっている細胞にあるDNA(遺伝子)が傷つくことで生じます。
わたしたちの体では、毎日数千億個の細胞が死に、その死んだ細胞を補うために、細胞分裂をしてつぎつぎと新しい細胞をつくっています。細胞分裂をするときには、もとの細胞の設計図であるDNA が正確にコピーされ、同じ細胞ができ上がります。このとき、正確なコピーができずにミスが起こることがあります。コピーミスを起こした細胞はほとんどが死にますが、死なずに特殊化し、ずっと分裂をくり返す細胞ができることがあります。これが「がん細胞」です。
正常な細胞であれば、必要な分だけ分裂すると、分裂をやめます。しかし、がん細胞は死ぬこともなく、勝手に体に不必要な増殖をくり返していきます。やがて、体のさまざまな部分に転移し、正常な細胞に必要な栄養を奪いとり、最終的には死にいたるというわけです。
実際にがん細胞ができても、通常は免疫システムによりこれを退治しています。ところが、老化や日常生活の不摂生などにより、細胞分裂のミスが増えたり、免疫システムの働きが低下したりすると、発生したがん細胞がどんどん増殖してしまうのです。
がん細胞は長い年月をかけて
「がん」に!
細胞分裂にミスが起こり、突然変異のがん細胞ができたとしても、それがいきなり「がん」という病気になるわけではありません。
できたばかりのがん細胞1つあたりの大きさは1mmの100 分の1。細胞分裂を30回くり返し、がん細胞の数が10億個になって、約1cmの大きさになります。1cmの大きさになると、ようやく検診で発見することができるようになり、はじめて「がん」と呼べる病気になるのです。
1つのがん細胞ができてから、検診で発見できるような大きさになるまでの期間は約10~15年。これが「40代からが、がん年齢」といわれる1 つの理由で、がんにかかる人は、40歳代から多くなり、年齢を重ねるごとに増えていきます。がんは長生きの副産物ともいえます。
日本人のがんが欧米化
2019年の人口動態統計より、ここ数年のおもな部位別のがん死亡者数を見てみると、いままで日本人に多かった胃がんは横ばい、減少傾向に推移しています。それに対し、肺がんや前立腺がん、乳がんなどは増加傾向にあり、とくに男性では前立腺がん、女性では乳がんの増加が目立ちます。
これらはもともと欧米に多いタイプのがんで、食生活の欧米化など、ライフスタイルの変化にともない、発生するがんの種類も変化してきています。
肝臓がんなどは、原因であるウイルス対策により、今後は減少が予測されています。
4秒筋トレ ※目安は10回
ご飯の前に テーブルタップ
- ★床に座り両手両足を床につける
- ★手足を肩幅にひらく
- ★「1、2、3、4」と数えながら、体をもち上げる
- ★元に戻す
- ★2回目以降は床にお尻をつけない
上半身の30秒ストレッチ
※息は細く長く吐き続ける
休憩中に ダウンドッグ
- ★手足を肩幅にひらき、お尻をもち上げ逆V字をつくる
- ★頭を内側に入れて、30秒間背中をのばす
参考資料『生活習慣改善のためのストレッチ&筋トレスキル』
監修:都竹茂樹 熊本大学 教授システム学研究センター・教授 東京法規出版刊