第4回
消化器のがん「食道がん」「大腸がん」


食道がん

食道がんは、飲酒歴や喫煙歴の長い人に多いがんです。食道には粘膜を包む漿しょう膜がないことから、周囲の臓器やリンパ節に転移しやすく、早期発見・治療が非常に大切です。

消化器のがん「食道がん」

食道がんの症状

何か食べたときに、食べ物がつかえたり、食道がしみる感じがします。また、胸が痛む、胸やけがするなどの不快感もみられます。進行すると、食べ物が飲み込みにくくなったり、おう吐してしまうこともあります。また、無症状の場合も少なくありません。

食道がんの治療方法

早期の場合は内視鏡による粘膜切除で対処できますが、進行すると、放射線療法や手術による食道切除および食道再建などが必要になります。がんの進行度と 状態により、化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法を組み合わせて行う場合もあります。



大腸がん

動物性脂肪のとり過ぎなど、食生活の欧米化に伴い増加傾向にあるのが大腸がんです。女性のがん死の1位であり、がん全体の罹患率でも胃がんに次いで2位です。早期であればほぼ100%治るため、検診による早期発見が重要です。

消化器のがん「大腸がん」

大腸がんの種類

大腸がんは、がんができた部位により、結腸がん、直腸がん、肛門がんに分類されます。また、大腸粘膜のどこにでもがんが発生する可能性はありますが、がんは肛門から15cmほどの部分の直腸とその上の部分のS状結腸に集中しており、この部分で全体の約6割を占めています。

大腸がんの種類
(平成25年度消化器癌検診全国集計より)

大腸がんの症状

排便に関する症状が多く、もっともよくみられるのは血便です。痔による出血と勘違いして放置するケースがありますが、かんたんには判断できませんので、自己判断せずに医師に相談することが大切です。このほか、便秘と下痢をくり返したり、残便感、便が細くなる、おなかが張る、腹痛などの症状もみられます。がんの発生場所によっては、症状が出にくくなる場合もあります。

大腸がんの原因

消化管である大腸は食べ物の影響を受けやすく、大腸がんは動物性脂肪やたんぱく質のとり過ぎが原因といわれています。肉食中心の高脂肪食へのシフトなど、いわゆる食生活の欧米化が、大腸がんが増加傾向を示す原因と考えられています。

大腸がんの検査方法

市区町村で実施される大腸がん検診で行われるのは、便中の血液の有無を調べる「便潜血検査」です。大腸にがんやポリープがあると、目で見てもわからないレベルの微量な出血が生じるため、検査で出血の痕跡を調べます。
この検査で陽性の場合は、精密検査として、がんそのものの有無を確かめる「大腸内視鏡検査」など が行われます。近年は、CT 画像情報から仮想内視鏡画像を作製する「CT コロノグラフィー」という検査が行われることもあります。内視鏡検査より身体への負担は軽度です。

大腸がんの治療方法

「手術療法(外科療法)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤治療)」を、組み合わせながら行います。手術治療では、早期であれば、開腹をせずダメージの少ない内視鏡による切除や、場所によって腹腔鏡を使用しての腹腔鏡下手術も行われます。
肛門に近い部分の進行がんでは、がんと一緒に肛門を切除することもあり、その場合は人工肛門をつくることで、排せつを行えるようにします。



体幹を鍛える30秒筋トレ
※息は細く長く吐き続ける

会議の前に タオル踏み

  • ★足を肩幅にひらく
  • ★両手にもったタオルを左足で踏む
  • ★左足は床につけたまま両手でタオルを30秒間引き上げる
  • ★反対側も同様に

会議の前に タオル踏み

下半身の30秒ストレッチ
※息は細く長く吐き続ける

寝る前に 足裏のばし

  • ★足をのばして座る
  • ★足の裏にタオルをかける
  • ★胸をはったまま前傾し、30秒間タオルをひっぱる


寝る前に 足裏のばし

参考資料『生活習慣改善のためのストレッチ&筋トレスキル』
監修:都竹茂樹 熊本大学 教授システム学研究センター・教授 東京法規出版刊