- 第6回
- 女性特有のがん「乳がん」
女性がかかるもっとも多いがん「乳がん」
乳がんは女性がかかるもっとも多いがんで、年々増え続けています。発症年齢は50歳代がピークですが、30歳代から増え始めます。
定期的に検診を受け、早期発見につとめましょう。唯一自分で発見できるチャンスがあるがんでもあります。
乳がんの危険因子
乳がんのおもな原因としては、過度の飲酒、喫煙、動物性脂肪のとり過ぎ、肥満、遺伝などがあげられます。また、女性ホルモンの分泌が深く関係しているため、初経が10歳以下だった人、妊娠・出産の経験がない人、授乳の経験がない人、初産が高齢だった人、閉経年齢が遅い人、また経口避妊薬(ピル)を使用している人(女性ホルモンの過剰摂取)などは、乳がんになりやすいといわれています。
乳がんは女性特有のがんですが、ごくまれに男性にも発症することがあります。
乳がんになりやすい人
- ●お酒が好きでよく飲む人。
- ●たばこを吸う人。
- ●40歳以上の女性。
- ●肉食中心で、動物性脂肪をよくとる人。
- ●運動不足で肥満気味の人。
- ●初経年齢が早い人や閉経年齢が遅い人。
- ●妊娠・出産歴がない人や授乳したことがない人。
- ●初産年齢が高い人。
- ●経口避妊薬(ピル)をよく使用している人。
- ●閉経後にホルモン補充療法を受けたことがある人。
症状
乳がんの症状といえば、乳房のしこりです。乳がんの大きさが、0.5~1cmほどになると、自分自身でさわってわかるくらいのしこりになります。
がんが皮膚の近くまで達すると、皮膚がひきつれたり、表皮がただれたり、えくぼのようなくぼみがみられることがあります。リンパ節まで転移した場合は、わきの下がはれたり、腕のむくみ、しびれなどを覚えることもあります。乳首からの異常分泌物にも注意が必要です。
検査方法
一般的に「マンモグラフィ」という乳房専用のエックス線撮影検査が行われます。精密検査や人間ドックなどでは、さらに「乳房超音波検査」を行います。
また、乳がんは、ある程度の大きさになれば自分で発見できることもあります。
ふだんから自己チェックするとともに、早期発見のためにも、40歳を過ぎたら定期的に乳がん検診を受けましょう。
治療方法
状態に応じて「手術療法(外科療法)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤治療)」「ホルモン療法」などの治療が行われます。現在、乳房をできるだけ切らない乳房温存療法が普及していますが、切除した場合でも乳房再建術による乳房復元も可能になっています。
乳がんの健康チェック(ブレスト・アウェアネス)
着替えのとき、入浴タイムなどに、乳房を見て・触って、しこりやひきつれ、変形などがないか確認しましょう。こうしたブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)で日頃から正常な乳房の状態※を知っておくと、乳房の変化に気づきやすくなり、乳がんの早期発見につながります。
※閉経前の女性は、月経周期に伴う変化を見ることも大切です。
まずは目でチェック!
- ●鏡の前で、両手を下ろ した楽な姿勢で乳房をチェック。
- ●腕を上げ、両手を頭の後ろで合わせて、乳房をチェック
触ってしっかりチェック!
体を洗うとき
- ●指の腹で、乳房を軽く押さえて、なでるように、すべらせるように触る
あおむけに寝たとき
- ① 肩の下に折ったタオルなどを入れ、乳房が胸の上に平均に広がるようにする
- ② 調べる乳房側の腕を曲げ、手は頭の後ろに
- ③ 指の腹で、乳房を軽く押さえるようにして触る
体幹を鍛える30秒筋トレレ
※息は細く長く吐き続ける
会議のあとに
もち上げタオル
- ★イスに座り肩幅に足をひらく
- ★タオルをひざ裏に通し、両手でもつ
- ★タオルを30秒間両手でもち上げる
- ※ひざがもち上がらないように力を入れる
下半身の30秒ストレッチ
※息は細く長く吐き続ける
テレビを見ながら
太もも内側のストレッチ
- ★両足を大きくひらき、両手をひざに置く
- ★肩を入れるように上体をひねり、30秒間キープ
- ★反対側も同様に
参考資料『生活習慣改善のためのストレッチ&筋トレスキル』
監修:都竹茂樹 熊本大学 教授システム学研究センター・教授 東京法規出版刊