- 第7回
- 子宮体部・頸部にできるがん「子宮がん」
卵巣にできるがん「卵巣がん」
子宮がん
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんの2種類があり、原因や症状などが異なります。子宮頸がんは30~40歳代に多く、20~30歳代でも急増しています。子宮体がんは50歳代の発症が多く、食生活の欧米化などにともない増加傾向にあります。
市区町村の検診では、子宮頸がん検診が行わ
れています。
子宮頸がんと子宮体がん
子宮の入り口付近の頸部にできるがんを子宮頸がんといい、子宮の奥にある体部の内膜にできるがんを子宮体がんといいます。子宮頸がんは、子宮がん検診の普及や診察も容易なことから、早期の発見が可能ながんといえます。一方、子宮体がんは症状も出にくく、検診でも発見されにくいため、発見が遅れがちになる傾向があります。
子宮頸がんの原因と症状
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染がおもな原因です。HPVは性交渉で感染するウイルスで、欧米では性感染症として認識されています。性行為を始める年齢が若いほど、また性交渉の人数が多いほど感染へのリスクが高くなるといわれています。HPV感染予防のためのワクチン(定期接種)があり、ある程度の予防効果が期待できます。
初期には症状はなく、進行にともない、月経とは無関係な不正出血、性行為の際の出血、異常なおりものなどがみられるようになります。さらに進行すると、排尿障害や下腹部痛などが出る場合もあります。
子宮体がんの原因と症状
子宮体がんは、動物性脂肪を多くとる人に多いことが知られています。そのため、近年の食生活の欧米化により日本でも急増しています。また、女性ホルモンとの関係が深いため、月経不順の人、閉経年齢が遅い人、妊娠・出産歴がないか少ない(月経回数が多い)人、高齢で出産をした人などがかかりやすいといわれています。
おもな症状は、月経とは無関係な不正出血や異常なおりもので、とくに閉経後に少量の出血が長く続く場合は注意が必要です。早めに婦人科を受診しましょう。
検査方法
市区町村では、子宮頸がんの早期発見を目的として行われています。検診では、子宮頸部、内膜の組織を採取してがん細胞の有無を調べる「細胞診」が行われます※。短い時間でかんたんにすむ検査です。不正出血や月経異常、褐色のおりものなどがある人は、医師の判断などにより子宮体がんの「細胞診」が行われます。子宮奥部の内膜の検査には多少の痛みをともないます。
※子宮頸がん検診については、令和6年度より、30~60歳を対象に5年に1度のHPV単独検査法への切り替えが可能になる場合があります。
治療方法
子宮頸がんでは、がんの場所や進行度、状態に応じ、「手術療法(外科療法)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤治療)」が選択されます。早期がんで今後の妊娠・出産を希望する場合、円錐切除レーザー療法が行われることもあります。
子宮体がんも頸がんと同様の治療方法が選択されますが、基本は子宮全摘出術となります。早期がんで子宮温存を希望する若い世代の場合、子宮体がんに有効な「ホルモン療法」が行われています。
卵巣がん
初期には自覚症状がなく、進行してから下腹部のしこりや鈍痛などが現れます。卵巣は体の奥部にあるため発見が困難で、発見時にはすでに進行し、転移しているケースも少なくありません。動物性脂肪のとり過ぎや肥満、喫煙などが危険因子といわれ、日本でもじわじわと増加中です。
治療は、状態に応じて「手術療法(外科療法)」「放射線療法」「化学療法(抗がん剤治療)」などが行われます。
4秒筋トレ
※目安は10回
ラジオを聴きながら外もも・内もも
<外もも>
- ★横向きに寝る ★つま先は正面
- ★「1、2、3、4」と数えながら上の足をもち上げる
<内もも>
- ★上のひざを曲げ、下の足のつま先は正面
- ★「1、2、3、4」と数えながら下の足をもち上げる
上半身の30秒ストレッチ
※息は細く長く吐き続ける
ネコと一緒に キャットストレッチ
- ★両手両ひざを床につける
- ★頭を下げ、へそをのぞき込むように背中を丸め静止する
- ★今度は天井を見るように背中をそらす
- ★それぞれ30秒間おこなう
参考資料『生活習慣改善のためのストレッチ&筋トレスキル』
監修:都竹茂樹 熊本大学 教授システム学研究センター・教授 東京法規出版刊