第11回
検診でがんを早期発見!

医療技術の進歩もあり、がんは決して治らない病気ではなくなってきました。ただし、そのためには早期発見が欠かせません。どのタイプのがんも初期にはほとんど自覚症状はありませんので、早期発見のためには、がん検診を定期的に受けることが何より大切です。


がん検診をしっかり受けよう!

生活習慣を改善してがんを予防する以上に大切なのが、がん検診を受けることです。検診でがんを早期に発見して、できるだけ早く治療を始めることが重要です。
どんなに健康的な生活を送っていたとしても、老化にともなって細胞のコピーミスは増え、また免疫力も下がってきます。残念ながら、だれもが、がんになるおそれがあるのです。ですから、自覚症状のないがんを早期に発見するためには、検診が非常に大切なのです。
現在、早期のがんなら半分以上は完治し、早期であればあるほど治る確率はグンと上がります。進行がんでは半分近くが命を落とす胃がんでも、早期なら90~100%治るようになっています。
しかし、日本人のがん検診率は、先進国中でも最低ラインにあります。もっと積極的にがん検診を受け、自らの手でがんから身を守りましょう!

がん検診の国際比較

がん検診の国際比較
がん検診の国際比較
【出典】
OECD Health Statistics 2022 https://www.oecd.org/health/health-data.htm
日本 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunva/0000059490.html
英国 https://www.gov.uk/topic/population-screening-programmes
フランス https://www.e-cancer.fr/Comprendre-prevenir-depister/Se-faire-depister
ドイツ https://www.bundesgesundheitsministerium.de/krebsfrueherkennung.html
オランダ https://www.bevolkingsonderzoeknederland.nl/
フィンランド https://thl.fi/fi/web/kansantaudit/syopaseulonnat
オーストラリア https://www.health.gov.au/topics/cancer/screening-for-cancer
ニュージーランド https://www.cancer.org.nz/cancer/find-cancer-earlier/screening-and-early-detection/
韓国 https://www.mohw.go.kr/react/policy/index.jsp?PAR MENU ID=06&MENU ID=06300103&PAGE=3&topTitle=
アメリカ https://www.cdc.gov/cancer/dcpc/prevention/screening.htm 厚生労働省「第39 回がん検診のあり方に関する検討会」(令和5 年8 月9 日)参考資料6 より

早期にがんを発見できる期間を逃さない!

がんが検診で発見できるようになるのは、がんの大きさが1cmになってから。それより小さいがんは、検査で発見することは非常にむずかしいのが現状です。また、早期がんとされる大きさは2cmくらいまでです。つまり、早期がんを発見するには、がんの大きさが1cm から2cmの間に見つける必要があるわけです。
しかし、がんが1cmから2cmに成長するには、その間たった3回の分裂で、時間にしておよそ1年半しかありません。検診で早期がんとして発見できるのは、このわずか1~2年の間に限られるのです。
以上のような理由から、胃がん※1、肺がん、大腸がん検診については1年に1回、乳がん、子宮頸がんについては2年に1回の受診※2が推奨されています。子宮頸がんは20歳以上で、それ以外のがんは40歳以上が対象です。早期発見のチャンスを逃さないために、定期的にがん検診を受けましょう。
※1胃がんについては平成28年度より、原則50歳以上、2年に1回の胃内視鏡検査が推奨されています。
※2子宮頸がん検診については、令和6年度より、30~60歳を対象に5年に1度のHPV単独検査法への切り替えが可能になる場合があります。

がん検診の基本的な流れ

集団検診・個別検診

4秒筋トレ
※目安は10回

仕事のひと休み中にひじで壁押し

  • ★壁にもたれかかり、足を一歩前に出す
  • ★両脇を締め、息を吐きながらひじで壁を押す




仕事のひと休み中にひじで壁押し

上半身の30秒ストレッチ
※息は細く長く吐き続ける

手洗いついでにタオルで首たおし

  • ★タオルを頭にかける
  • ★背筋をのばして、タオルを斜め下にひく
  • ★頭がひっぱられないように力を入れる
  • ★その状態を30秒間キープ
  • ★左右もおこなう

手洗いついでにタオルで首たおし

参考資料『生活習慣改善のためのストレッチ&筋トレスキル』
監修:都竹茂樹 熊本大学 教授システム学研究センター・教授 東京法規出版刊